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就活回顧32年前の就職活動

僕の社会人生活は、約30年前の大学卒業後、22歳の時から始まった。

入社した会社は、アパレルやインテリアを量販店向けに卸す会社だった。その卸売会社、F社が僕の社会人としての第一歩だった。ちなみに、このF社は現在も存在している。

なぜこの会社に入社したのかというと、特に大きな理由はなく、適当に会社説明会に参加し、何となく決めた感じだった。僕は当時、社会人のイメージが非常に辛いものしか持っていなかった。そのため、就職活動も非常にいい加減だった。特定の「この会社に行きたい」という希望は特になかった。就職は半ば義務だと感じていた。そして、義務としての仕事だから、辛いことにも耐えなければならないと思っていた。仕事はお金をもらうための手段でしかないと考えていた。自分の時間を犠牲にし、嫌なことにも耐えてその対価としてお金をもらう。そういった考えしかなかったので、当然、自分に合う会社を見つけるのは難しかった。

僕がF社に入社した理由

ちなみに、僕がこの会社に入社した経緯を説明します。今振り返ると、情けないくらい適当な選び方だったと感じます。
当時、インターネットのような便利なツールはなく、多くの会社説明会の案内はがきが自宅に届いた。多くの4年制大学生は、自分の興味や関心を持つ会社の説明会をピックアップしてエントリーするものですが、僕の場合は、届いた案内はがきを気に入ったら、自分の連絡先を書き、エントリーするという方法でした。
そのようなやり方だったため、エントリーはしたものの、実際に当日会社説明会に出席しないことも多かった。今考えると、エントリーした会社に対して非常に失礼な行動だったと思います。

その中で、『昨日の説明会に待っていたのに参加されませんでしたね。次回、この日に是非参加してください』という内容の電話があった。これがF社の採用担当者からのものでした。一度説明会をすっぽかしてしまっていたので、わざわざ電話をかけてきてくれたのだから、参加しなければいけないと感じ、仕方なく出席しました。

32年前の就職の雰囲気

当時、僕が就職活動をしていた頃は、バブルが崩壊した直後でした。それにも関わらず、その余韻がまだ残っていたようです。多くの企業は、すぐには戦力として役立たない新卒を積極的に採用していた。一言で言えば、学生が主導する「売り手市場」の状況でした。大手や上場企業は例外ですが、中小企業レベルでは、多少学生に歩み寄ってでも入社してもらいたいという雰囲気が漂っていました。

僕が入社したF社もその一つで、学生からの人気が低いとされていたようで、積極的に電話でアプローチし、説明会に呼び込んでいた。そして、僕はその中で引っかかった一人でした。特に熱心に入社したいと思っていたわけではありませんでしたが、職種が固定得意先のルート営業で、新規開拓よりも比較的楽ではないかと感じていたため、F社は第一候補としていました。

面接も他の会社に比べて非常に簡単でした。圧迫面接などは一切なく、入社してもらうための条件確認を重点とした面接だったのです。自分のように、言葉が得意でなく、自己アピールが難しい人間でも、簡単に答えられる質問が中心でした。そのため、「この会社は相当人気がないのだろう」と感じながら面接を受けていたことを覚えています。

F社からの内定

その後、2次面接、3次面接と順調に進んで、内定をもらった。確か9月の夏が過ぎた頃だった。正直言って、迷いもあった。公務員の試験を受けることも考えたが、公務員試験は大学入試と同じくらい厳しいと聞いていた。再び地獄のような勉強を1年間続けることを考えると、やる気が起きず、すぐに考えを変えた。また、準公務員の独立行政法人にも何度か面接に行った。こちらも試験が必要で、公務員の倍率と同じくらい競争が激しかった。夏の暑い中での説明会に参加したが、暑さのせいで集中できず、全てが面倒に感じられた。最終的には、「F社で良いか」という結論に達した。