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アパレル会社の入社式から研修まで

入社式の同期6人

前回の話の続きですが、私はF社というアパレル・インテリアの卸売会社に就職しました。

私と同期だったのは、創価大学出身の松野君、駒沢大学出身の内田君、産業流通大学出身の柴田君、出身大学を忘れてしまった小山君、そして日大出身の渡辺君です。50歳を過ぎると、確かに物忘れが激しくなります。なかなか人の名前を覚えられないのに、不思議なことに新卒入社時の同期の名前と出身大学はしっかりと覚えています。彼らと特別仲が良かったわけではなく、実際には気が合わない人達でした。当然、プライベートで一緒に遊ぶこともありませんでした。それにも関わらず、彼らのことを覚えているのは、不思議な感じがします。

松野君はかなりのイケメンで、入社後はアパレルの紳士服部に配属されました。それはもう20年以上前の話ですが、風の噂によれば、配属された頃の年上の美しい女性デザイナーと結婚し、子供を持ったとのこと。内田君も松野君と同じく社内での結婚を果たし、会社で順調に仕事をしていると聞きます。この2人を除いて、私を含む同期の多くが、実は1から2年で会社を早期退職しています。当時の状況を考えると、高い離職率の職場だったと感じます。

30年前のアパレル・インテリア会社の新卒社員研修

3月22日に入社式を終え、直後に新人研修が始まった。研修場所は本社が位置する馬喰町の繊維共同組合の施設で、研修期間は1週間と少しであった。新たに社会人としての一歩を踏み出す中、まずは基本的なお辞儀の仕方から学び始めた。名刺交換に関しては、以下のポイントを教わった。

名刺交換時は腰を約90度まで折り、一礼をする。

  • 名刺入れは必ず両手で持つ。
  • 1対1の商談時には、相手の名刺を名刺入れの上に置き、座布団のようにする。
  • 複数人との交換の場合は、それぞれの相手が分かるように名刺を配置する。
  • 当時、この研修に対してネガティブな感じを持っていたが、その後数回転職を経る中で、この研修が非常に役立ったと感じている。特に20代後半から新規開拓営業がメインの仕事となった私にとって、この研修は非常に有用であったと思う

続いて、アパレルに関する繊維の基礎的な知識を学習した。しかし、この名刺の研修を除くと、アパレル関連の内容はほとんど覚えていない。それだけ、アパレルに対する興味が当時は薄かったのだろう。

物流倉庫での出荷研修の経験

10日間の机上研修を終えると、次は物流倉庫での出荷の実習が待っていた。最初は「営業の仕事を選んだのに、なぜ物流倉庫での出荷研修を受けなければならないのだろう」と思った。しかし、物流の仕組みを理解しないと、効果的な営業活動は難しいとのことだった。その時の私はこの意味を十分に理解していなく、半分しか納得できていなかった。

4月から5月のゴールデンウィークにかけて、私は物流センターで実際に出荷の仕事を手伝った。実際に手を動かして商品の流れを経験することで、商品がどのようにお店に届くのかの流れを理解することができた。それを体験して「なるほど」と感じたのを覚えている。

物流倉庫には社員数人とともに、多くのパートタイムのおばさんたちが働いていた。働く環境はとても殺伐とは言えず、むしろ和やかな雰囲気が漂っていた。