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Z社最初の1ヶ月目で広告の神髄を学ぶ

業者から歓迎されず、いきなり出鼻をくじかれる

Z社に入社して最初の仕事は、生協と提携している業者に対しての説得と広告料金の案内でした。しかし、この仕事はかなり大変でした。生協は「生活文化事業部」として、車検、リフォーム、保険、旅行、新築、白アリ駆除など、生活に関わるサービスを地元の業者と提携して販売していました。実際には、契約が成立すると業者からコミッションを得るというビジネスモデルです。生協の会員は生協を信頼しているため、契約に至る確率は高いです。

今回、Z社の役員が生協とのパイプを持っていたため、広告業者としてうまく入り込むことができました。しかし、これまでの業者は、情報誌の広告にお金を出すことなく、チラシなどを印刷し、生協に無料で配布する形を取っていました。そのため、Z社が参入することにより、実質的に販促費用が高くなるという問題がありました。

私の仕事は営業というよりは、最初の1ヶ月間、生協の業者への挨拶回りでした。どこに行っても業者からはあまり歓迎されませんでした。生協の決定と私の会社に対して怒りをぶつける業者もおり、説明するのが大変でした。期待を胸に膨らませて入社したものの、いきなり出鼻をくじかれた感じでした。最初は中原係長と一緒に同行営業しましたが、すぐに私も一人で行くことになりました。

訪問するたびに業者からあまり良い反応が得られず、私は早くも「このビジネスは本当に成り立つのか?」と疑問に思い始めました。

ふとん丸洗い業者の社長の指摘と広告の学び

この頃訪問した業者の中で最も印象的で、今も色あせない記憶があるのは、東京のふとん丸洗い業者を訪問した時のことです。そのふとんの会社は大きなものではありませんでしたが、当時24歳の私を相手に、社長自らが対応してくれました。私は緊張しながら面談しました。

私は不慣れな会社説明や今後の情報誌発刊について説明しました。私が話を終えると、社長は「情報誌に掲載するのはいいけど、君の広告に対する工夫はないの?」と問いました。広告営業を始めたばかりの私には、そんなことを言われてもまともに答えることができませんでした。私はしどろもどろになりました。

社長は、「広告をやるなら、他のチラシなどと比べて、どうやったら興味を持たせるかを考えなければいけない」と言いながら、これまでのチラシ制作で工夫した見せ方や色使いについて話し始めました。私はただ聞いているだけで、迫力に負けて何も言い返せませんでした。社長から見れば、私は非常に頼りない存在だったのでしょう。

また、この時私は一つ大切なことを学びました。広告はいかに目立つか、それがすべてだということを。

最終的には生協の部長が説得して

業者からは多くの反感を買っていましたが、主導権は生協にありました。業者も、色々と不満を言いながらも、生協との提携によるメリットが大きいため、最終的には生協の部長の一言で納得していました。ただ、広告料金が少し高かったため、その点については業者と話し合い、料金を安くすることで合意しました。

僕にとって新規開拓営業はじめての体験