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2023-11-20

アルバイト

H通信でトップ営業マンに同行1日だけ入社する


1994年の8月、私は新卒で入社した会社を1年半で退職しました。

次の仕事が決まっていなかったので、一時的にアルバイトをすることにしました。応募を考えたのは、有名なH通信の営業職でした。当時、日本テレコムやDDI第二電電などの市外電話のリセールが流行していました。H通信は現在上場している企業ですが、当時はまだそれほど大きくはありませんでした。しかし、毎週アルバイト情報誌に募集広告が掲載されていたため、一定の知名度はありました。

私は新規開拓営業に興味を持っていました。以前の職場では完全な固定得意先営業をしていました。ルートセールスでは、会社から固定の得意先が割り当てられ、担当者との相性が売り上げに影響を及ぼすことがあります。しかし、新規開拓営業では自分で顧客を見つけるため、このような問題は少ないと考えていました。また、営業の実力は新規開拓に現れるとも思っていました。新規開拓営業なら、もしかすると自分も成功できるかもしれないと楽観的に考えていました。

H通信の面接を受けたところ、すぐに合格しました。実際、面接を受けた人はほとんどが採用されるような印象でした。

H通信での私の仕事

私が配属されたのは渋谷の営業所で、当時20人ほどの営業員がいたと思います。ほとんどが20代から30代前半で、約半数がアルバイトでした。

初日は研修を受けましたが、詳細はあまり覚えていません。2日目からは営業の同行研修に参加しました。私は幸運にも、当時のH通信全国No.1の営業マンと一緒に同行する機会を得ました。

トップの営業マンはどのような人物かと興味を持ちましたが、意外にもかなり普通の方でした。挨拶を交わし、「今日からよろしくお願いします」と伝えると、彼は感じが良く「一緒に頑張ろう」と応じてくれました。外に出ると、彼はすぐにユンケル(栄養ドリンク)を飲み始めました。彼は毎日飛び込み営業を行っており、疲れが見え隠れしていましたが、栄養ドリンクを飲むと気合が入るようで、「よし、行こう」と言って赤坂の営業地へ向かいました。私も同行しました。

電車の中で、その先輩が専門学校卒業後すぐにH通信に入社したことを知りました。トップセールスマンとして多くの収入を得ており、最近はパジェロを現金で購入したそうです。

僕はやはり、新規開拓営業は歩合があり稼げるのだなと思いました。

トップ営業マンはごく普通の人

その先輩は、回線営業において全国トップの営業マンでした。正直、トップ営業マンなので、営業マンにありがちな、トークも堪能で、いかにもできるというイメージを持っていましたが、意外なほど普通の営業マンでした。何かトップセールスのオーラのようなものも感じませんでした。

そしてその先輩は本当に、ネコナデ声のように、丁寧にゆっくり話します。決して大きな声で話したりはしません。どちらかというと声が小さかったかもしれません。おそらくその声のトーンが良いのでしょうか。飛び込み営業に行った先でも、そのトークのためか警戒されずに、電話の主装置があるところまで行き、まだ安くなる回線導入していないことがわかると一気に畳みかけて、契約を取ります。

また、穏やかに話しますが、話法は素晴らしく、相手の反論を認めながらも、巧みな話法で相手を納得させてしまいます。言葉巧みさと、反論されても、上手くかわすことができるのです。

僕はなるほど、これがトップ営業なんだと思いました。H通信のような回線の新規開拓営業の場合、いかにもバリバリの新規開拓営業マンは逆に警戒されてしまいます。むしろトークなどは事務的な方が、相手に警戒されないのです。

そして余談なのですが、決してこの先輩は頭が良いということはありません。お客さんとの会話で「クライアント」という言葉が出てきたのですが、クライアントという意味をこの先輩は知りませんでした。「クライアント」はおそらく中学3年レベルの英語だと思います。

結局1日でやめてしまう。

研修は1日で終わった、よく考えてあ結果やはり自分には回線営業の新規開拓営業はできないと思い、
1日で辞めてしまいました。
新規開拓営業とはどんなものか、稼ぐというよりかは世間を知る意味で入射したまででしたので、当時の自分には
飛び込む営業やる覚悟はありませんでした。
しかし、この時H通信のトップ営業マンに同行できたのは幸運でした。
決してトップ営業マンを真似ることはできませんが
何かしら僕も得たものがありました。